非結核性抗酸菌症そらりす

非結核性抗酸菌症の患者の日常・投薬歴・入院歴です

漢方はしばらくこの処方でつづけることに

漢方薬局と相談して、今の薬をもう少し続けることにしました。

 

苦しいのは相変わらずですが、CRPが3というのが大きくて…ここ何年ももっと高い数値でしたから。12月に薬を変えた効果が出たと思うので、たぶん、この薬でいいのだと思います。

 

薬剤師さんは「このまま続けてCRP2とか1とかいったらどうなるかみてみたいんです。」と言いました。

 

おお、CRP2とか1!夢のような数値。ここ何年もそんな数値見たことありません。

 

「どうなるかみてみたい」というのは、それだけCRPが下がれば、たぶん息切れや痰が減ると思う。とはいえ、やってみないとわからない、という意味。ものすごく明るい話じゃありませんが、希望はもてます。

 

今の漢方薬のメインの処方は、排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)というものです。

 

基本的にはおできやニキビの薬。皮膚の腫れや発赤をしずめて治りをよくする薬です。歯肉炎や歯槽膿漏、鼻炎などにも用います。

 

慢性的な肺の病気に使って、膿のような痰を排出させることもあるらしく、たぶん私はそのケース。

 

膿のような痰を出そうとして苦しいなら、しばらくガマンしてもいいと思います。

 

 

 

 

 

 

検査結果は改善していました!

今日が診察日でした。息切れはもう人の目にもあきらかで、血液検査の看護師さんにも、受付の係りの方にも「大丈夫ですか?」と聞かれるくらいだったのですが、なぜか検査の結果は改善していました!

 

CRP 3.59から3.00

白血球数 102から87(正常値)

レントゲン 変わらず

パルスオキシメーター 94から97

 

こ、これは…割と大きく改善している…CRPなんて、私は最悪なときは9以上ありましたから、これは画期的な値です。

 

先生の症状も明るいです。

「数か月前は入院も考えていましたが、ご自宅でのケアでよかったようですね。いい方向だと思います。」

 

よかった…。でも、苦しいことは苦しいままなので、先生に「やっぱり私は痰がつまって苦しいんでしょうか?」と聞いてみました。

 

どうもそうらしいです。ときどき背中や胸がひきつるように痛むのは、炎症が胸郭のすぐ近くにあるからで、特に悪化しているわけではないし、ぴーぴー肺からする音が最近大きく聞こえるのも、どこに痰がひっかかっているかによって、音の聞こえ方が変わるせいだそうです。

 

「このまま続けましょう!」と先生の明るい声に見送られて、診察室を出ました。

 

励ましのコメントもらったこともよい結果の理由です。ブログを読んでくださっているみなさん、ありがとうございます。

 

 

 

もうすぐ診察日

ここ数日寒いのがいけないのか、調子がよくありません。もうすぐ呼吸器科の診察日ののに、これじゃあ、CRP悪化してるかも。

 

息切れはあいかわらずだし、痰も止まらないし。12月に漢方薬変えたのがよかったのか、悪かったのか、もうわかりません。

 

しかたなく、日々をやりすごしているけれど…ああ、こんな人生でいいのか?というあせりが時々ふいにおそってきます。

 

よくはないよなあ、でも今のところどうしようもない。

 

なるたけ食べて、しょぼい運動でもやって、あと、あきらめないこと。そのぐらいしかないけど。

 

 

「パラサイト半地下の家族」つながりで、「グエムル」を見た

「パラサイト半地下の家族」つながりで、ケーブルテレビで同じポン・ジュノ監督の「グエムル_漢江の怪物」をやっていました。以前から傑作と聞いてはいたので、観られてよかったです。

 

怪物にさらわれた少女を必死にとりかえそうとする家族の物語で、奮闘する父親をソン・ガンポが演じています。もうホントにダメダメなオヤジなんだけど、なんか応援したくなってしまう。なぜか目が離せない。不思議なくらい人をひきこむ。名優だなあ、と思います。

 

グエムル」は韓国語の「怪物」をカタカナ表記したものだそうで、怪獣の一種というわけではありません。2006年公開当時、「ゴジラみたいな映画かな?」と思って見に行った人はがっかりしたんじゃないでしょうか。

 

まず、このグエムル、サイズが小さくて、中型トラックくらいの体長しかありません。このサイズではゴジラみたいに派手に東京タワー壊したりはできっこない。家族数人でなんとかぎりぎりやっつけられる大きさだから、家族の物語が生きてきます。

 

英語のタイトルが"THE HOST”となっていて、意外な気がしました。HOSTは宿主生物というほどの意味で、グエムルがウィルスを媒介する生物かもしれない、という設定になっています。豚コレラの豚、鳥インフルエンザの鳥のようなもの。

 

グエムル出現は、米軍が化学物質を漢江に垂れ流したことが原因であることが暗示されています。米軍による実際にあった化学物質の不法投棄事件が下敷きになっていて、政治的なメッセージ性があります。

 

ここ最近、韓国についてはいろいろ報道されたから、映画に反米感情が強く漂っているのも理解できましたが、2006年の公開当時、私がこの映画を見たとして、この感じ、理解できたでしょうか?たぶん、わからなかったと思います。

 

国同士の関係が悪化したせいで、いろいろ報道されて知ることが増え、結果として映画の理解が深まってしまうとは…皮肉といえば皮肉ですが…

 

全体に政治風刺劇の強い感じで、「パラサイト半地下の家族」もそんな感じなのかな?劇場まで行く元気はないから、1年後くらいに見ることになりそう。

 

 

桜桃の味か、餃子の生地の弾力か

この連休は、手作り餃子をつくって、楽しくすごしました。

 

「皮から餃子をつくる」というのは、私たち夫婦が昔よくやっていたもので、まあ料理遊びのようなもの。出不精の二人にはぴったりの遊びだったのですが、約10年前の夫の働く会社の倒産につづく二人しての失業、その後それぞれいくつか仕事をかわり、その過程で私の病気が進行、私だけまた失業という経過をたどったので、お互いこういう遊びをする気分にもなりにくく…

 

でも、去年の年末から10年ぶりに餃子つくり復活。とはいえ、年末は私はまだ体がしんどくて、生地を伸ばす作業を手伝っただけで、あとはほとんど夫にやってもらうことになってしまいました。

 

残念。今回は、ぜひ生地をねるところもやりたいな。

 

餃子つくりの楽しいところは皮つくりで、生地をねるところがいちばん楽しいと私は思っています。

 

特に小麦粉とお湯で生地をある程度まとめたあとで、油を足すと弾むような弾力が出る、あのとき。手の平にはじめて押し返すようなその感触を味わったときには感激したものです。おおげさに言えば、生きててよかったって感じ。これを知らずに死ななくてよかったって感じ。

 

で、今回生地をねるところでそれが味わえたかというと…

 

私の体力の低下はやっぱりかなりのものでした。油を足すところまではなんとかできたのですが、弾力を感じるところまで生地をねりあげる力がありません。体重をかけてやってみても、なにせ以前から10キロちかく少ない28キロだから、ぜんぜん効果がない。

 

目が回りそうになって、結局、途中で夫に代わってもらうことになりました。

 

少し休んだ後、皮を伸ばしたりすることはできましたが、残念です。おいしくできたし、充分楽しかったのですが…

 

次回は、弾力を感じるところまで体力回復したいな。あの感触をまた味わうことができれば、元気になれるような、そんな気がするから。

 

ふと、昔みた「桜桃の味」というイラン映画の「さくらんぼの味を味わいたいとは思わないのか」というセリフを思い出しました。それは生きることを自分で味わおうとは思わないのか、という意味だったような。自殺願望をもつ主人公にそれを思いとどまらせたいオジサンのセリフです。

 

もしかして、私にとって、さくらんぼの味にあたるものが餃子の生地の弾力なのかもしれません。あんまり絵にならないけど。

 

もし私が同じテーマで映画を撮ったら、「桜桃の味」ならぬ「餃子の生地」という映画になったりして。

 

「餃子の生地の弾力を手の平に感じたいとは思わないのか」って、名セリフになるかなあ…ちょっと一般性に欠けるかもな…

 

 

 

 

 

胸鎖乳突筋つかいまくり

寒いですね。「元気になる!」と宣言したものの、やっぱり波はあるもので、また血痰が出てしまいました。

 

どうも、胸の前あたりがちくちく痛いと思ったら…背中や胸がちくんちくんと痛かったり、ひきつれれるように痛かったりすると、その翌日か2日後に血痰がでるようです。アドナとトラニキサム酸を飲んでおとなしくしていると、まあ治るけど、前後はいつもよりだるかったり、呼吸がさらに苦しかったりします。

 

それでなくとも呼吸は毎日苦しい…今日、鏡をしみじみ見て、首の筋肉があまりにも発達していることに驚いてしまいました。呼吸のたびにかなり激しく動いています。

 

鎖骨から耳につながる、首のまわりの左右対称の筋肉。「胸鎖乳突筋」というんだそうで、これがまあ動くこと動くこと。

 

通常の呼吸では、横隔膜と呼ばれる、肺をつつむ胸郭をひとつのバケツに例えれば底の部分にあたる筋肉を使います。胸鎖乳突筋の出番はありません。私でも横になって安静時にはこの筋肉はあまり使わずに呼吸しています。

 

つまり、横隔膜を使った通常の呼吸で足りないから、胸鎖乳突筋がかりだされたということです。

 

呼吸器に問題のない人がこの筋肉を発達させることはまずないので、ここがやたらと筋張って動いていたら、呼吸器の病気の人だってことです。

 

いやだなあ、筋張っちゃって…でも、かりだされる胸鎖乳突筋があるから、こうしていちおう生きていけるんだな、と思い返しました。

 

これ以上、使える筋肉ってあるのかな?調べてみようと思います。

 

 

肺病やみのピカレスク。とっても元気

遠出のできない私の年末年始の娯楽はやっぱりテレビってことで、NHKBSでやっていた映画なんぞを見ていました。

 

古い映画が多かったけれども、その中でもひときわ古い「幕末太陽伝」。1957年公開のコメディ映画です。私でもまだ生まれていない時代の作品。20代で見ておもしろかったのでまた見てみたけれど、これがまだ新鮮なおもしろさを失っていないのに驚きました。

 

居残り佐平次」という古典落語から拝借したキャラを、当時のコメディアンである「フランキー堺」が演じています。フランキー堺は怪獣映画にもよく出ていたから、今の若者でもその方面のマニアなら知っているかもしれません。

 

居残り佐平次」というのは、かなりひねりのきいた小悪党ですが、これをフランキー堺が自由闊達に、ぬけぬけと演じてる。すごいです。

 

ざっと説明すると、「居残り」というのは、吉原で支払いが足りない客を監禁するシステムです。身内かだれかが残りの支払いをすませるまで布団部屋なんぞにおしこめて帰さない。

 

普通はとうぜん恥で苦痛である居残り。その居残りに佐平次は無一文で豪遊してわざとなります。そして、その店で太鼓持ち兼雑用係として人間ばなれした大活躍。結果としてそこの使用人たちの仕事・収入をおびやかし、「お願いだから、出ていってくれ」と言われるようにもっていく。もちろん、タダでは出ていかない。

 

詐欺のような、強請のような、とんでもないピカレスク。そのくせ 妙にかわいげのあるこのキャラに、この映画の監督・川島雄三は「たぶん肺病やみ」という特徴をつけ加えました。佐平次はときどきいやな咳をし、おそらく喀血しています。

 

ラストシーンでは、佐平次は「病気は天罰だ、今に地獄に落ちるぞ」と罵られ、「地獄も極楽もあるもんけえ。俺はまだまだ生きるんでえ。」と叫び、品川の海辺を走り去ります。

 

この映画には幻のラストシーンと言われているものがあって、アニメーターで映画監督の庵野秀明はこの幻のラストに影響をうけたそうです。それは、江戸時代の佐平次姿のままのフランキー堺が、時代劇のセットをつきやぶり、現在の(1957年)現実の街をどこまでも走り去るというもの。1957年当時、あまりにもシュールすぎて理解されないとして、見送られたそうです。

 

その幻のラストシーンを心に思い描いてみました。

 

肺病やみのくせにばかに元気な佐平次が、江戸時代そのままの恰好で、こっけいな闊達さで、時代劇のセットをつきやぶる。だれも彼には追いつけない。あ、いいな、この感じ。

 

私はその想像だけではあきたらず、1957年から勝手に昭和を通り過ぎ、平成を通りすぎ、令和の現代までつきやぶって走りこんでくるフランキー堺を思い描いてみました。おかしな顔のフランキー堺、とんでもなく生き生きとして、なんかへっちゃらで…

 

元気いっぱいじゃないの、肺病やみのくせしてさ。この想像、ちょっと元気が出ます。

 

 

幕末太陽傳 デジタル修復版

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  • 発売日: 2013/11/26
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