非結核性抗酸菌症そらりす

非結核性抗酸菌症の患者の日常・投薬歴・入院歴です

バレンタインシーズンに、スイート&ビターな小説を

今週のお題「わたしとバレンタインデー」

 

テレビを見ていると、この季節、毎日チョコレートの情報でいっぱい。スーパーでもコンビニもきれいに包装されたチョコでいっぱい。多少うんざりする気も…

 

でも、もしこの世にチョコレートがなかったら?

 

そんな設定で書かれた小説があります。タイトルは「チョコレートアンダーグラウンド

 

政治に無関心になってしまったイギリス国民が、「ま、いいかなあ」と選挙に行かないでいるうちに、健全健康党という健康を異常に重視する政党が政権をとってしまいます。健全健康党は、すぐさま「チョコレート禁止法」を発令。国じゅうからチョコを追い立てていきます。

 

主人公の少年たち、ハントリーとスマッジャーは、そんなおかしな禁止令に反抗すべく、「地下チョコバー」をはじめることに。チョコを確保するために、チョコの密造まではじめる…

 

アメリカの禁酒法を思わせる設定、チョコの取り締まりにあたる役人たちはナチスの将校を思わせます。

 

このナチスの将校みたいな役人が好んで飲んでいるのが「ガンパウダー」という緑茶。チョコレートの甘さとの対比で、快楽のない人生を平気で人に押し付けるヤツの象徴として、作者が選んだのがこガンパウダー

 

私は苦笑いしてしまいました。だって、ガンパウダーは以前「紅茶特急」というサイトで私が好んで買っていた緑茶だから。まいったなあ、あたしの好みってそんな感じなの?

 

ガンパウダーは、火薬という意味。茶葉が丸められている形からそう呼ばれるようになったそうです。この火薬という意味から、敵役が好むという設定に作者はしたんだよね、そういうコトにしておこう。ガンパウダー自体はボディーのしっかりした中国茶という感じでとってもおいしいですから。

 

さて、小説のほうはイギリスらしいアイロニーの効いた展開で楽しめます。作者のアレッックス・シアラーは少年少女向きの作家なので、アイロニーといっても、そう苦いばかりではありません。すてきなハッピーエンドもちゃんと用意されています。

 

スイート&ビターな小説として、バレンタインシーズンにはおすすめかも。

チョコレート・アンダーグラウンド

チョコレート・アンダーグラウンド