脳にシャッフルをかけるための読書
チママンダ・ンゴスイ・アディーチェの「なにかが首のまわりに」のamazonによる説明は、以下のとおり。
ラゴスからアメリカに移民した若い主人公がエクストラ・ヴァージン・オイル色の目をした白人の男の子と親しくなる表題作(「アメリカにいる、きみ」改題)のほか、「ひそかな経験」「明日は遠すぎて」など、人種、ジェンダー、家族にまつわるステレオタイプな思考を解きほぐす、天性のストーリーテラーの切なく繊細な12の短篇
この本を読もうと思ったきっかけは、ネットで「シングルストーリーの危険性」というspeechを読んだことです。これは、ステレオタイプなものの見方の危険性を語ったもので、有名なスピーチらしい。
どうしてこんなスピーチにたどりついたかというと、パキスタン移民を主人公とする探偵小説でいささか戸惑い、自分がステレオタイプな小説の読み方をしていることに気づいてしまったから。そこで脳にシャッフルをかけるべく、チママンダにたどりついたのですが…
当然、この本でもまた戸惑いました。それも作者が意図する以前のレベルで。
まず、アフリカ人の名前にまったくなじみがありません。まずここで、私は「アフリカ人の名前」というじつに雑なカテゴライズを行っています。
「アフリカ人の名前」は「アジア人の名前」というカテゴライズに似ています。そのカテゴライズだと、日本人と中国人、パキスタン人、インド人、十パひとからげ。
それはするまいと思っていたのにやっぱりやっちまいまいました。アフリカ広いのに。いろんな国あるのに。
なじみのない名前だと、その名前の持ち主が男性か女性かもわからない。そうなると、物語にはいっていくのに少々苦労します。
これは…作者が意図する以前の問題。登場人物がオトコかオンナかわかれば、ストーリーにはいっていけるんだね、オマエは…それって、いいのかどうなのかわからなくなってきました。
もちろん、読者側に共通の認識のまったくない小説は読んでいけるはずもないのですが。
脳にシャッフルをかける意味ではこの読書は正解のようで、1ページめからシャッフルされてしまいました。
だから、これでいいんだけど、そういえば病気なんだよな、私は。痩せさらばえた体にムチうってこんな本を読んでないで、もうちょっと疲れないもの読んだほうがいいのかもな…。
「チップス先生さようなら」で泣ければいいんだけども。もうとっくに無理。