「ぼくはイエローでホワイトで、ときどきブルー」を読む
「ぼくはイエローでホワイトで、ときどきブルー」を読みました。イギリスで中学生を育てるブレイディみかこの手記で、去年の本屋大賞です。
まず経歴から。夫が銀行をリストラになり、収入減で底辺地区に移り住んだ彼女はそこで保育士しながら子育てをはじめます。
夫の身内がカトリックだったため、子供は底辺地域の中で唯一マトモな小学校に行くことができ、生徒会の会長を勤める優等生に成長。
中学生進学もカトリックでいくところを、子供自身の希望で元荒れた公立校にいくことになります。
元荒れた公立校には、独自のテコ入れが成功する学校がまれにあり、この学校もそのひとつです。音楽と演劇に力をいれているのが特徴で、わざわざカトリックをやめてこちらに決めたのも、そこがポイントでした。
今までとはまったく違う学生の民族・人種の構成。
カトリックの小学校では白人、有色人種と半々くらいだったのに、元底辺公立校では圧倒的に
プア・ホワイトが多いのです。白人=金持ちというひと昔の公式はなりたたず、不満の多い白人がレイシストになっていることも多い、
アジア人はまだ数が少なく、イジメにあうのではないかという、周囲の心配をよそに子供は中学校に通いはじめますが…
ヘビーな構図にも関わらず、当の子供はごく普通に問題と立ち向かったり、かわしたり。
まわりの大人たちも、犯罪レベルからびっくりするほど真摯で前向きな人たちまで、非常にさまざまです。
おもしろいなあ。知らないことばっかりなんだけども。