アンチという依存症
病状が落ち着くと退屈してくるから、趣味か何かはじめようとする人が多いそうです。
これがうまくいかないこともあるようです。とくに、オジサンの場合。
何か作る、文章を書くというのはハードルが高いので、映画でも観たらどうかということになます 。
ところが、いざ選ぼうとすると、しばらく観ていないので知らない映画ばかり。途方にくれてしまいます。とっかかりが何もありません。
そこで、年がいっても映画を観てるらしい知り合いのことを思い出してみますが、あまりいい印象はありません。
アイツが観てるのは、ハリウッドの大作ばっかり。オレはそうじゃない映画を観て楽しんできたんだよ。
うーん、そうなるとつまり、この人の好みは「ハリウッドのアンチ」ということになります。
アンチというのはやっかいなもので、メインストリームの影なんです。
このアンチが病気や高齢化でその分野にしばらく関心をなくすと、とっかかりをなくしてしまいます。
メインストリームは好きじゃないわけですから、当然そうなります。
メインストリーム好きがいたから入ってきた映画情報もはいってこなくなります。
ここでアンチで観てきた映画の中に、自分独自の好みを見つけられればいいんですが。
そうでないと、メインに依存しきったアンチということになってしまいます。
それってさみしい。さみしすぎる。
そうなってほしくない身内がいるけど、ああだこうだいえないし。複雑な心境です。