つらいときには「トラコドン、トラコドン」
しんどくて、家でテレビばっかり見ています。夏場は恐竜ものが多くて、けっこう楽しい。
「ジュラシックワールド」も以前見たことあるのにまた見てしまいました。よくできたエンタメです。でも、「ジュラシックパーク」はじめて見たときの喜びにはかなわないなあ。
ジュール・ベルヌの小説の銅版画の挿絵、古い科学雑誌の写真そっくりの挿絵、子供のころ胸をときめかせてくれたイメージそのままがCGで映像化されている、あの感じ。広大な草原を恐竜たちがいっせいに移動したり、ブロントザウルスがゆっくり首をもたげたり…子供時代の夢そのもの。
「恐竜が温血である」なんてこともあの映画ではじめて知ったんだっけ。もう定説なんですね。今日NHKBSでやっていた恐竜番組では、恐竜が鳥の祖先であるとはっきり描かれてていて、CGで再現されたその姿は、ほとんどごついニワトリ。
ジュラシックパークで、このごついニワトリみたいな恐竜が出てきたら、ええーっとなっただろうな。エンタメとしては古くからの恐竜像のほうがよかったわけです。
おじいちゃん科学者の夢の実現というストーリーで、映画を見る人の夢を壊すことなく、科学的な知識も充分に入れて、ハラハラドキドキさせてと、ああ、やっぱり傑作だったのねと改めて思ってしまいました。
今の子供たちはきっとオジサンオバサンたちの夢とは関係のない、鳥みたいな恐竜像をもつんだろうな。ちょっと寂しいけど、これでいいんだ。
入れ替えなきゃならない知識ってもうすでにいっぱいあって、ついていけていません。原生人類の直接の祖先もとっくにアウストラロピテクスではなくなってるようだし、ネアンデルタール人と交雑してたこともはっきりわかったようだし、私が学んだ知識の何割かはもう古くなっています。
けっこう長生きしちゃってるってことかな。
私はつらくて気をまぎらわしたいときや、過去に自分がやったいやなことを思いだしていやになるときに、恐竜の名前をとなえてまぎらわすというおかしな癖をもっています。
ここのところ、呼吸がつらいから、実はときどきとなえています。「トラコドン、トラコドン」とか。