覚悟なく聞ける音楽で部屋のかたづけ
しばらく前に「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を見た影響で、エンリコ・モリコーネが聞きたくなりました。
エンリコ・モリコーネはイタリアの作曲家で、映画音楽で有名です。
こういうのアマゾンプライムですぐ聞けるって便利な時代だなあ。聞いてみると甘くてせつないメロディーが秋にぴったり。「ワンス・アポン・ア…」の「アマポーラ」なんてもう最高。
どういうわけか、この甘くせつないメロディーが、バイオレンス系の映画監督に好まれて、だからモリコーネの代表作は「荒野の用心棒」とか「夕日のガンマン」とか、マカロニウエスタンです。(作品数多いから、それだけじゃないけれども。)
タランティーノの「ジャンゴ」「ヘイトフルエイト」にも曲を提供しています。でも、じつはモリコーネ自身は血なまぐさい映画に嫌悪感をもっていたそうです。マカロニウエスタンもタランティーノもあまり好きではなかったらしい。
なのに、クリント・イーストウッドやロバート・デ・ニーロの顔にモリコーネの曲が重なるとなにか納得させられてしまいます。不思議です。
不思議だ不思議だと思いつつ、モリコーネを聞きながら部屋のかたづけをしました。
こんなにすばらしいのにBGMとして聞けてしまうなんて…映画音楽だからそんなもんかな。と、ここで「死刑台のエレベーター」のマイルス・デイビスを思い出しました。マイルズ・デイビスをかけながら部屋のかたづけとかはありえない。
空間に鋭く切り込んでいくような、ストイックで力強いあの感じ。
マイルス・デイビスを聞くと心からすばらしいと感動しながら
「自分はつまらない人間ですみませんでした。腹かっさばいておわびします。」
とかいいたくなってしまうのは私だけでしょうか。
聞くたびに腹かっさばいているわけにはいかないので、マイルスを聞くのには覚悟がいります。
そこで、私が覚悟なく聞くのがスタン・ゲッツ。
夫の意見ではスタン・ゲッツは「すけこまラッパ」だそうです。いいんだ、すけこまラッパだって。もういろいろ疲れているんだから、すけこまラッパくらい心おきなく聞かせてくれよと思います。
あの甘くかすれた味わいがたまらない。
というわけで、今日もモリコーネにあきたらスタン・ゲッツ。で、少しは部屋はかたづいたかって?まあ、多少はかたづきました。
- アーティスト: スタン・ゲッツ,ジョアン・ジルベルト,アストラッド・ジルベルト,アントニオ・カルロス・ジョビン,トミー・ウィリアムス,ミルトン・バナナ,ヴィニシウス・ヂ・モライス
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2016/06/29
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