クレジットカードで複雑な気分
私が通っている病院、調剤薬局、両方ともクレジットカードが使えます。ポイントが貯まるし、なにより粗忽ものの私にとっては、「うわあ、現金がない、病院に行く前に銀行よってくるの忘れたあ!」ということがなくなるのがありがたい。まあ、事情を話せば近くのATMなりコンビニなり行かせてくれるとは思いますが、オトナとしてはちょっと恥ずかしい…
漢方薬局はカードが使えなくて残念です。高額だから、使えるとありがたいんだけどなあ。
美容院でも使えないところはあるし、ユーザーとしては、もっといろんなところでカードが使えるといいのにな、と思いますが、お店はカード会社に手数料を払わないといけないので、とくに規模の小さいお店にとってはカード払いはありがたくないらしいです。
山形の百貨店が倒産したというニュースをワイドショーで見ていたら、倒産の理由のひとつに、「クレジットカードの利用が増えたこと」というのがあって、すぐには理解できませんでした。
どうしてクレジットカードの利用が増えることがと倒産の理由のひとつになるんだろう。現金払いより手数料分売り上げが減ったからって、そこまでの金額ではないだろうし。
しばらく考えてピンときました。これって、もしかして、古典落語によく出てくる「勘定がおっつかない」ってヤツ?
小あきんどや大工の親方が「つけ」で商品を仕入れて、つまりお金を借りて、商売をする。そのお金の支払いが期日までにできないと「勘定がおっつかない」ことになる。(古典落語だと、おかみさんが着物や帯を質に入れてしのいだりします)
クレジットカードで客が決済した場合、カード会社が代金をたてかえて業者に、この場合は大沼百貨店に支払うわけですが、もしかしてその支払いが客が買った当日より何日か遅れるのかな?
その遅れがよそへの支払いを遅れさせているのかな?
そう思ってネットで調べてみたら、やっぱり「数日遅れる」と書いてありました。
この数日の遅れが倒産の理由のひとつになったとすると、ものすごくぎりぎりの経営だったってことになりますよね。百貨店の経営の苦しさについては何年も前からいろいろニュースに出ていたし。そもそも自分は何年も百貨店で買い物していないしな…
職場がなくなってしまった人たちは気の毒です。つぶれそうな会社から早く逃げればよかったと人は言うだろうけど、逃げ遅れた経験をもつ私としては、とてもそうは言えません。
消費税増税に伴う軽減税のために政府はキャッシュレスを推進したわけだけど、このクレジットカードの支払いの数日の遅れなんて、システムを作るとき、カウントしていたんでしょうか?
してないんじゃないのかなあ?それとも、カウントしたうえで、その程度が耐えきれないゾンビ企業にはいなくなってほしいと思っているのか。
私にはわかりません。
ユーザーとしてクレジットカードを便利に使いつつ、別のキャッシュレス決済もしてみたいと思いつつ、なんだか複雑な気分です。