ジャック・マイヨールを思い出した
「サーファーのロペスの、潮風にさらされたような笑顔にふと胸をつかれる」と昨日ブログに書いて、夫にそのことを話したら、
「前にもだれか別の人の顔でそんなこと言ってなかったっけ?」
そうか、思い出しました。潮風にさらされたような感じの顔、私はほかにも見たことがあるんでした、しかも生で。
「ビッグウェンズデイ」をテレビで見るより先だったか、後だったか、当時アラサーの私は古本を探して神保町をうろついていました。
三省堂書店の一角で数人の人だかりができています。たぶん、本のサイン会。作家席に座った外国人の顔がどう見ても作家に見えなくて、私はじっと見てしまいました。
日に焼けた機嫌のいい顔。本屋の一角にちっとも似合わない顔。野卑ともいえるけど、同時に神聖な感じ…だれなんだろう?
それは素潜りの名人、ジャック・マイヨールでした。たぶん、彼を主人公にした映画「グラン・ブルー」の公開後、本が出版されてのサイン会だったと思います。
映画「グラン・ブルー」は見ていたけれど、マイヨール役は俳優が演じていたので、当人の顔を見たのはそれがはじめてでした。
潮風にさらされた機嫌のいい顔。ジェニー・ロペスの顔と通じるところがあります。
何年か後、その顔の主が自殺してしまったことを、私は電車の週刊誌の吊り広告で知りました。
特に素潜りについて詳しいわけでもないし、マイヨールのファンでもなかったけれど、なんだかとても悲しかった…あんな顔の人が自殺したりするんだなと。
もう何十年も前のことで、すっかり忘れていました。「グラン・ブルー」もいい映画でした。ネット配信でまた見てみようかと思います。