非結核性抗酸菌症そらりす

非結核性抗酸菌症の患者の日常・投薬歴・入院歴です

最後の日のこと

引き続き夫です。そらりすの最後の状況について少しだけ書きます。

 

そらりすの直接死因は喀血です。タイトルにある非結核性抗酸菌症によるものです。

かなり大量の喀血でした。

発症したときから血痰はたびたび出ていて、喀血というレベルの少量の出血もときどきはありました。しかし、あれほどの出血となると私は見たことがなく、もし彼女が見せまいとしていたとしても、とても隠せる量とは思えません。

最後のブログにもあるように、前日から当日朝のそらりすは比較的元気で、4月の苦しかった時期を乗り越えて快方に向かうのかなと思いながら私は出勤しました。

10時ごろ、LINEで他愛のないやりとりをしました。その後私は忙しく、次にLINEを送ったのは午後3時過ぎでしたが、既読にはなりませんでした。

18時過ぎに退勤し、家の近くのスーパーから電話をかけたのですが、彼女は出ませんでした。妻が電話に出ないのはよくあることで、「知らないうちに機内モードになってた」とか「出ようとしたけど切れた」とか言い訳をするのですが、今度もそのパターンだろうとは思ったものの、なぜか気になって急ぎ気味に帰宅し、ドアを開けると酸素吸入器の警告メッセージ「カニューラが詰まっています」がくり返し聞こえていました。そして、寝室に行くと、血だまりの上に倒れた彼女の姿が目に入りました。名前を叫んで抱き起こしましたが、もう息をしていませんでした。

慌てて訪問看護のナースに電話して来てもらい、ナースはドクターを呼んで、死亡が確認されました。

ゴミ入れには、多めの血を吸ったティッシュが入っていました。出血は少しずつひどくなっていったのだと想像されます。しんどくなったらナースを呼ぶんだよと言ってありましたし、「そうだね」と当人も理解していたはずなのですが、電話しようとしていた矢先に、そんな余裕もない状態に突然見舞われてしまったのでしょうか。

いずれにしても、彼女をひとりにしておいたことがとても悔やまれます。やむを得なかったとは言っても、自分を責めずにはいられません。

すぐに対処していれば助けられたのか、それとも、あれほどの大量喀血ということは、肺のダメージがついに限界に達して、どうにもならなくなってしまったということなのか、素人の私にはなんとも言えないのですが。

ここ1、2年の彼女の苦しみを見ていて、こんな日がいつか来ることはある程度覚悟はしていました。けれど、まさかこんなに早く来てしまうとは。彼女自身はどうだったんでしょう? 少なくとも今はもう苦しみからは解放されたはず、と私としては思いたいです。思いたいだけです。

 

こんな話をして、おなじ病気の方々を脅かすようで申し訳ないのですが、こんな例もあるということを知っていただいて、今後の治療の参考にしていただけたらと思います。