非結核性抗酸菌症そらりす

非結核性抗酸菌症の患者の日常・投薬歴・入院歴です

抗生剤2

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写真の器具の正式な名称はわかりません。そらりすが抗生剤の副作用による筋肉痛に見舞われていたころ、立ち上がるのに使っていたものです。

横になった姿勢から立ち上がるという、ふつうの人ならなんでもない動作ができなくて、この器具につかまってやっと上体を支えることが可能になったのでした。

痛くて動けない。動かないから筋肉が落ち、体力が衰える。病気がますます治らなくなる。

 

あくまでも素人の私見として言うのですが、抗生剤が悪く働いた場合は、単なる副作用を超えて、病気を悪化させてしまうのではないでしょうか。

そらりすには視覚障害がひどくショックだったのでしょうが、身体をじわじわと弱らせることのほうが実は害が大きいと思います。

なかでも私が訴えたいのは、まえにも書いた「食べられなくなる」ことです。

多くの抗生剤がそうだと思いますが、副作用として「食欲不振」になる恐れがあるとされています。歯を抜いたときに処方された抗生剤で胃腸の具合が悪くなった経験は私にもありますが、何年も抗生剤を飲み続けたそらりすの身体にはいったいどんなことが起きていたのでしょう?

そらりすが「食べられない」ことに悩んでいた原因は、もともと食が細かったこと、病気そのものによる胃腸機能低下などもあるのでしょうが、抗生剤がそのひとつだったと私には思えてならないのです。

 

悪い菌を殺して副作用が限定的なものであるなら、抗生剤は有効です。

効果 < 副作用 の場合も、止めどきは見極めやすいでしょう。

 

食欲不振は副作用としてはあまり目立たないので、そこが厄介です。

視覚障害のとき服用を止めたのは『賢明でした』と言われたんだ。食欲不振も副作用なんだから、止めていいんじゃないか? それに、効いたとしても、耐性菌ができるまえに止めたほうがいい」

というようなことを、そらりすと私は何度となく話し合ったのを覚えています。

今思うのは、それを早い段階でドクターに相談すべきだったのです。ただ、「クスリは効いてない気がするし、食欲がないのもクスリのせいじゃないかという気がする」という「気がする」レベルの話では、なかなか言い出せませんでした。

私たちは、「話をするからにはきちんと話そう」と考えすぎていたかもしれません。どうせこっちは素人なんだから、気になることは無邪気に口にして、ドクターを怒らせたらそれはそれで仕方ない、ぐらいに思っていればよかったのかも(クレーマー体質の人やもともとおしゃべりすぎる人は逆に自制が必要でしょうが)。彼女がひとりでは話し出しにくかったのなら、私が同行すればよかったです。通院に付き添いが必要なくても、病気にはふたりで対処しようと考えるべきでした。

 

病気が悪化してからは、どんなクスリを服用すればいいのか、私たちとドクターはよく話し合いました。非結核性抗酸菌症には「これを服んでおけばOK」というクスリがなく、副作用のせいで服めないクスリが次々とわかって来ると、ドクターの選択肢も少なくなってしまうという事情もあります。

最後の期間に処方されていたのはエリスロシンです。

「高齢者とか、服めるクスリがなくなった人に出すクスリだよ」とそらりすは言っていました。彼女は熱心に勉強していたので、服めそうな抗生剤のおそらくすべてについて知識を持っていました。ただ、少し遅かったかもしれません。そして、最後のエリスロシンも、服む必要があったのかどうかわかりません。そらりすがどんなふうに考えていた、この件については突っ込んで話すことはありませんでした。

 

結核性抗酸菌症と診断されたら・・・

抗生剤についてできるだけ早く勉強したほうがいいです。で、疑問に思ったことは素直にドクターに質問してください。そして、患者の身近にいる全員で協力して病気に立ち向かってください。早く対処すれば、決して治らない病気ではないはずですから。

 

ただ、くり返しますが、素人の意見ですから、判断はご自身でお願いします。あくまでも参考にしていただけたら、そらりすがこのブログを始めた意義もあると思います。