気持ちのほとばしりが欲しい
最近あたまが働いていないのは、年のせいか、痩せすぎがいけないのか、ひきこもり的生活のせいなのか…困ったことです。
固有名詞が出てきにくくなりました。まあ、パート時代を思い出してみれば、同年代のおばさんたちも似たようなものではありましたけど。
休憩時間にたまたまいっしょになる別の店のおばさんは、芸能界の話が大好き。私になんとか芸能ネタを披露しようとしてくれるのですが、披露したい芸能人の名前がまず出てきません。
「ほら、あの人よ、あの人!」
なんとなく私に思い出せ、という流れになるんですが、思い出せるはずがありません。
「離婚した人よ!」
でも、離婚した芸能人いっぱいいるからわからないし。
どうもその芸能人1と、もう一人の芸能人2の関係について語りたいらしいのですが、二人目の芸能人の名前も思い出せないから、会話が進みません。
でも、おばさんは、しゃべりたいんですね。他人である私の記憶力を動員してまで、しゃべりたい。言葉なんて出てこなくたってかまわない。
ほぼ何にも思い出せないおばさんの、しゃべりたい気持ちのほとばしりだけが、ヒシヒシと伝わってくる…話はまったく進まないままに休憩時間は終わる…
その時は、そうまでしてしゃべりたい気持ちだけがあることが不思議としか思えませんでしたが、最近になって、私に欠けているのはこれかもしれないと思うようになりました。つまり、「気持ちのほとばしり」。意味も論理もどうだっていい、気持ちのほとばしり。
それさえあれば、固有名詞なんて思い出せなくてもいいのかもしれません。
元からの静かめの性格に加えて、病気で痩せすぎました。もともと薄めだった欲がさらに薄くなっているので、これでは生き物としてマズイと思います。
他人の記憶力を動員してまでしゃべりたいことがあるのか。他人を巻き込んでまで、したいことがあるのか。
病気のせいで、自分の性格の本質的な部分を見るはめになった気がします。