非結核性抗酸菌症そらりす

非結核性抗酸菌症の患者の日常・投薬歴・入院歴です

私の歯切れの悪い「鬼は外、福は内!」

今週のお題「わたしの節分」

「鬼は外、福は内!」というのはとても単純なものの考え方。それだけに人間の素直な願いがこめられていると思います。

 

でも、私は非結核性抗酸菌症というなかなか治らない病気にかかったおかげで、単純なものの考え方に別れを告げなきゃならないはめに陥りました。

 

結核なら特効薬がありますから、原因菌を「鬼」とみなして退治できます。ところが、非結核性抗酸菌症の場合、効く薬はひとつの抗生物質だけ。それもすぐに耐性菌が出てくるので別の薬で耐性菌対策をするわけですが、これが結核用の抗生物質。代用品しかないんです。

 

この代用品、結核患者なら半年で飲み終わりますが、大して効かないものだから、もっと長く飲み続けることになります。すると副作用が出てくる。視覚障害聴覚障害、末端神経障害、胃腸障害。私はいくつか経験しました。

 

こうなると、もともとの病気で苦しんでいるのか、副作用に苦しんでいるのか、わからなくなります。でも、うかつに抗生物質はやめられない。

 

抗生物質が悪いの?抗生物質が「鬼」なの?

誰が鬼だかわからないままで、豆まきを続けているような状態です。

 

もともと非結核性抗酸菌症は弱毒菌で、30パーセントの人は感染自体はしているそうです。ただし、発病するのはごく一部。発病しても「それなりのバランス」で小康状態を保つ患者も多いということです。

 

私はめざすのは、「それなりのバランス」。私の体と菌との、今よりはマシな共生関係を探すことです。何を「鬼」にするかという話ではないから、ややっこしいですけど。

 

むずかしいよ。でも、まだやりようもあるし、救いもある。

 

私にとっての当面の敵、「鬼」は、ネットやテレビで出回っている、一見単純明解な解決策かもしれません。魔法のように効く健康食品とか、過激な食事療法とか。この鬼さえ払えば、なんとかなるかな?

 

というわけで歯切れの悪い、私の「鬼は外、福は内!」でした。節分なのにすみません。でも、歯切れがいいやり方だとこの病気、たぶんよくならないと思うから。