意外なところでビートルズに感謝
この病気、昔は結核との区別がむずかしかったらしいです。実際、咳こむし、喀血はするし、微熱は続くしで、結核とそっくりではあります。
明治や大正時代の作家には結核を患った人が多くいます。この病気にかかる何十年も前、大学生だった私は疑問に思っていました。
作家の中にはけっこう長生きした人もいる。結婚して子供を何人ももうけた人もいる。「結核は死の病だ」といいながら、どうしてだろう、不思議。
今なら、もしかして結核じゃなかったんじゃないんじゃないかな、と考えます。非結核性抗酸菌症だった作家も何割かいるんじゃないでしょうか。
「結核は死の病」と常に死を意識して作品を生み出していた作家のうち、何割かは結核ではなかったかもしれないと思うと、ちょっと複雑な気持ちになります。死を意識したことで作品はよくなったかもしれないけれども。
この病気の診断がつきやすくなった大きなきっかけがCTスキャンの普及で、日本では80年代からです。
このCTスキャンを開発したのがイギリスのレコード会社のEMI。年齢が高めの方ならピンとくるかも?ビートルズの大ヒットで有名な会社です。
EMIはビートルズのおかげで得た莫大な儲けを、科学研究資金につぎこみました。そして生まれたのがCTスキャナー。
前回の診察で、私の肺の気管支が拡張してモップの先みたいにべろべろになった姿を、クローズアップで先生が見せてくれました。こんなものが見られるのもビートルズのおかげ。ビートルズに感謝?
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