非結核性抗酸菌症そらりす

非結核性抗酸菌症の患者の日常・投薬歴・入院歴です

中年太りには意味がある

 

感染と抗菌薬 Vol.21 No.1 2018: 特集:診療科別 プロが示す『抗菌薬適正使用』の理論と実践

感染と抗菌薬 Vol.21 No.1 2018: 特集:診療科別 プロが示す『抗菌薬適正使用』の理論と実践

 

 ひきつづき、この雑誌からの情報です。

 

「NTM(非結核性抗酸菌)症治療における栄養の重要性」という記事。この病気の人には痩せているという特徴があります。私もとっても痩せています。今、まだ体重30キロをきっている状態。

 

痩せているということ=脂肪細胞が少ないということ。NHKの人体の番組でもやっていましたが、脂肪細胞は「免疫力をあげて!」というメッセージ物質を体じゅうに送ってくれているそうです。でも、脂肪細胞がすこーしなら、メッセージ物質もすこーし。だから、免疫力は上がらない。

 

そのことが、非結核性抗酸菌に感染・発病する原因ではないか、というのがこの記事の主旨です。つまり、この病気の主な原因は痩せていることそのものだということです。(もっと、難しい言葉で厳密に書いてあるけど、だいたいあっていると思う)

 

この記事は、「痩せ」についてふたつの指標を掲げています。それは、内臓脂肪とBMI。内臓脂肪が健康な人に比べてきわめて少なく、BMIも低い。

 

この「内臓脂肪がきわめて少ない」というところで、ああっと思いました。

 

この内臓脂肪、女性より男性のほうが多いことが知られています。よく、男性は「りんご型肥満」が多いと言われていますよね。手足はそんなに太くないのに、お腹だけ出ている太り方。(これに対して女性は下半身全体に脂肪がつくことが多い。)

 

この病気が、痩せ型の中年女性に多いという意味がわかった…。

 

男性なら内臓脂肪が多いから、この病気の条件をひとつは満たさないですみます。女性でも、たとえ内臓脂肪が少なくとも、充分な脂肪があればこの病気にはなりません。

 

「中年太り」には、意味があるんじゃないでしょうか。

 

初老になって閉経を迎えると、免疫を高める女性ホルモンが出なくなります。女性ホルモンに見放された状態に備えるために、腹回りや全身に脂肪をたくわえる、それが中年太りじゃないのか…。脂肪があれば、女性ホルモンとは別のやり方で免疫力を高めることができますから。

 

痩せ型の人は初老という人生の冬に備えるものがない。Tシャツ一枚で雪山に行くようなものかもしれない。

 

結核性抗酸菌症と女性ホルモンの減少は関係あるんじゃないかという意見は以前からありましたし、これでこの病気が痩せ型の中年女性に多いという意味がわかったような気がします。

 

さて、意味がわかっても対策がなければ悲しいだけです。この記事には対策も出ています。

 

まず内臓脂肪についてはなぜか努力で増やせるものではないらしい。でもBMI、全身の脂肪率を高めることはできます。BMIと病気の進行にはマイナスの因果関係があることが証明されています。つまり、「BMIの値上昇=病状の改善」という図式がしっかり成り立つらしいです。

 

要するに、太ればいいんだな。始末におえないことに、この病気は呼吸にエネルギーを使うので、かなり食べないと太れないわけですが…

 

なかなか太れない私ですが、こりゃあ、がんばるしかないな。