非結核性抗酸菌症を免疫面から考える
感染と抗菌薬 Vol.21 No.1 2018: 特集:診療科別 プロが示す『抗菌薬適正使用』の理論と実践
- 作者: 渡辺彰,斧康雄,永井英明
- 出版社/メーカー: ヴァンメディカル
- 発売日: 2018/03/12
- メディア: 単行本
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ひきつづき、この雑誌を読んでます。
「NTM(非結核性抗酸菌)症を免疫面から再考する」という記事。この記事もむずかしかったけど、まとめてみました。
- この病気の抗菌剤治療には限界があるので、抗菌剤で「菌の根絶を図る」という発想から脱してみたらどうか。
- この病気の在り方を、菌の働きではなく、宿主である患者の免疫に注目したい。
- この菌に対する宿主の免疫の対応の仕方はふたつ、「宿主応答型」と「感染型」。症状を宿主が抑え込んでいる「宿主応答型」にもっていければ、病状は安定する。
呼吸器科の先生は「菌とうまくつきあっていきましょう。」といいます。そのとおりではあるけれど、「うまくつきあっている状態」の基準ってなんなのか。たぶん、今まで患者の体感しかなかったでしょう。ここで、「宿主応答型」という基準が提案されたのは画期的ではないでしょうか。
この「宿主応答型」は肉芽腫というものを形成する病態で、決して健康体の人にあらわれるものではありません。まあ、病的ではあるけれども、宿主の免疫が菌となんとか折りあいをつけている状態といえます。
一方の「感染型」は菌と免疫が明らかに戦っている状態。空洞なんかがあるタイプ。(私はもうこの状態です。あーあ。)
「宿主応答型」から「感染型」に変わるとき、大きく影響を与えるのがストレスや生活の乱れ、ダイエットによる栄養不良と、この記事には書いてあります。この病気の患者に、悪化したときの状況を聞き取ったところ、約7割の患者が思い当たるふしがあると答えたとか。
清瀬の有名な先生に診察してもらったとき、「ストレスは関係ありますか?」と聞いて、きっぱり「関係ないですよ」と言われてしまった私。
うーん、ストレス関係あるじゃない。