くだらないことを考えると気がまぎれる
台風前後は呼吸がさらに苦しめです。
なんというのか、陸で死なない程度に軽くおぼれているような状態。空気におぼれるとでもいえばいいんでしょうか。
進化の過程でうっかり陸に上がった魚類の中にはこんな感じのヤツもいたんじゃないか?両生類になろうとしてなりそこなって、もはやエラは退化してしまったくせに、こんなことならいっそ水の中にもどりたいと思ってたようなヤツが。
こんなに苦しいのにくだらないことを考えてしまうのはクセだから治りません。
しかも、このままの状態でゴハンを食べなきゃいけないときています。おぼれながらものを食べるのはしんどいです。しかも、食べると体温が上がって苦しさがさらにアップ。
もういっそ蛇みたいだったらこんなに苦しまずにすむのにな。
蛇って大きなエサを丸呑みにしながら平気で呼吸ができてしまいます。それは、呼吸のための気道と食事のための食道がまったく別だから。
でも悲しいことに、人間は気道と食道が交差しているんです。だから、私は痰で気道が狭くなった状態でそこに食べ物を通過させなきゃなりません。バイパスでもつくれないものでしょうか。
でも、バイパスなんか作れない。だから、私は苦しいままだし、正月に餅を喉詰まらせて死んでしまう人間がなくなることもなく…あーあ。
こんな風にくだらないことを考えていると、少しは気がまぎれてなんとかゴハンがいただけます。
食べてないときも気をまぎらわすために、映画を見たり、本を読んだりしています。
今読んでいるのは、「シティ・オブ・タイニイ・ライツ」。イギリスのパキスタン系作家による探偵小説で、これがけっこうおもしろい。
登場人物の人種・民族・出身地のまあ多様だこと。多民族化はイギリスではほんとにすすんでいるんだなと思いました。
多様な属性をもった人物が出てくるので、老化で物忘れのはじまったアタマには多少つらいこともあります。しかもニックネームがその人物とは真逆だったりして。例えば、
- 「スイス」アフリカ系なのに、便通があまりにも規則正しいことから「スイス」と呼ばれる。スイスなんとかという有名な便秘薬があるからだそうです。
- 「ビッグジョン」ポーランド人でとても小柄なおじさん。
- 「アイリッシュ」コテコテのジャマイカ人なのに、名前がパトリックだからそう呼ばれる。
こんな調子です。しばらくストーリーがすすんで、「ビッグジョン」とか出てきても、ニックネームにイメージを頼りに思い出すことはできません。
アイロニー好きの文化なんだろうなあ。「ビッグ」っていうからにはチビなんだろうなという感性をもってよめば、まあクリアできそうですけど。