「私の部屋にこない?」といえるように
アメリカ映画を見ていると、男といいムードになった女が「私の部屋にこない?」と誘うシーンがよく出てきます。
私はこのシーンを見るといつも感心します。「自分から積極的に誘ってエライな」と感心しているかって?ええ、それも多少あるけど、私が感心しているのはそこじゃあありません。
部屋に誘うからには、きっとお部屋がキレイなんだろうだな。かたづいているんだろうな。そこです、私が感心しているポイントは。
つねに部屋をキレイにしておくなんて、私にはムリ。私は片付けが上手なほうではないので、つねに部屋をキレイにしておくなんて到底ムリ。
そのへんに何か脱ぎっぱなしで出てこなかったっけ。そこらに下着干したまんまじゃなかったっけ。皿は全部洗ってあったっけ…きっとこんな風に自宅の状態を思い出すのに必死で、たぶんいいムードどころではないと思います。
まあ、それでもなんとか生きてはこられたけれど、「部屋がちらかってるとこういうまずいことがあるのか!」というニュースを見つけたので、引用しておきます。以下は、東洋経済新聞のニュースで、郵便局員がだましやすい高齢者を「ゆるキャラ」「甘い客」などど呼んでいた件。
https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-299151.html?page=2
3つ以上あてはまれば『甘い客』確定。2つなら『甘い客』候補、1つでも用心が必要なんだそうで、おそろしい話です。
項目の中に「家の中がちらかっている」というのがありましたね。
つまり、家の中が散らかってると部屋にあげたくない、見られたくない、さっさと用事をすませたいというわけで、玄関先で何事も済まそうとしがちになります。すると、項目二番めの「玄関先で何事も済まそうとしがち」にあてはまってしまいます。
ということは、部屋がちらかってる人はそれだけで項目2個該当する「甘い客」候補になってしまう可能性大で、私なんか、あぶないと思う…このままちらかったまま高齢化するとマズイことになりそう…
というわけで、もう50代後半でそんな機会はなさそうだけど、必要とあれば「私の部屋にこない?」?と言えるように、もうちょっと部屋をかたずけたいと思っております…
ささやかな筋トレをやって「えらいぞ」
いちおう地味な筋トレはやりました。寝た姿勢でもできる腹筋とか、ももあげとか。その程度でもけっこうキツイ。
でもやらないよりはマシだから、自分をほめておきましょう。えらいぞ、えらいぞ、って。
自己評価低い人は自分で自分をほめるといいらしいです。書いたり、声に出して言ったりするとさらにいいとのこと。よし、独り言だけど声に出してみようか、「えらいぞ、えらいぞ」。
痩せこけたオバサンは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を見にいけるか
昨夜はあんまり寝苦しかったので、眠れそうもなく。夜中の2時にはじまったケーブルテレビの映画をつけたままにして、途中で寝られたらそれでいいや、と思いながら横になりました。
映画のタイトルは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」。たしか有名な映画だったような。ロバート・デ・ニーロ主演です。
さしてやる気もなく見ていたのですが、これが思ったよりずっと面白くて、気がついたら約2時間経過。あれ?でも話はぜんぜん終わりません。やっと少年時代の回想が終わったところなんだけど。
でも面白いからなんだかんだと見てしまい、まったく眠くなることもなく、時間はすぎていきます。結局終わったのは朝の6時近くでした。4時間近くもある大作だったんですね。ちっとも知らなかった!知ってたら寝る前にたらたら見ようなんて思わなかったのに。
なんだかへとへとになって、その後はすこし眠れました。
病気なんだから夜中に映画4時間なんてことはやめたほうがよかったかも。いやいや、どうせ寝られなかったんだから、面白く見られてよかったかも。
8月30日にタランティーノ監督の新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が公開されるけど、このタイトルって昨夜見た「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」へのオマージュかな?と思って調べてみました。タランティーノ監督は「…イン・アメリカ」を好きな映画と言っているから、たぶん、オマージュでしょう。
8月30日公開か…タランティーノ好きな私。見にいこうかな。
行けるかな?息切れがひどくて10歩歩いては休み、10歩歩いては休み、という歩き方しかできない、この体で。
もっと病人にふさわしい映画を選べないのかと我ながら思うけど、趣味だから仕方ありません。今のやせ細った私にふさわしい映画なんて考えてみればないしな…
行けますように。息切れで迷惑かけたくないから、すみっこの席がとれますように。(なんだか切ないお願い)
ジャック・マイヨールを思い出した
「サーファーのロペスの、潮風にさらされたような笑顔にふと胸をつかれる」と昨日ブログに書いて、夫にそのことを話したら、
「前にもだれか別の人の顔でそんなこと言ってなかったっけ?」
そうか、思い出しました。潮風にさらされたような感じの顔、私はほかにも見たことがあるんでした、しかも生で。
「ビッグウェンズデイ」をテレビで見るより先だったか、後だったか、当時アラサーの私は古本を探して神保町をうろついていました。
三省堂書店の一角で数人の人だかりができています。たぶん、本のサイン会。作家席に座った外国人の顔がどう見ても作家に見えなくて、私はじっと見てしまいました。
日に焼けた機嫌のいい顔。本屋の一角にちっとも似合わない顔。野卑ともいえるけど、同時に神聖な感じ…だれなんだろう?
それは素潜りの名人、ジャック・マイヨールでした。たぶん、彼を主人公にした映画「グラン・ブルー」の公開後、本が出版されてのサイン会だったと思います。
映画「グラン・ブルー」は見ていたけれど、マイヨール役は俳優が演じていたので、当人の顔を見たのはそれがはじめてでした。
潮風にさらされた機嫌のいい顔。ジェニー・ロペスの顔と通じるところがあります。
何年か後、その顔の主が自殺してしまったことを、私は電車の週刊誌の吊り広告で知りました。
特に素潜りについて詳しいわけでもないし、マイヨールのファンでもなかったけれど、なんだかとても悲しかった…あんな顔の人が自殺したりするんだなと。
もう何十年も前のことで、すっかり忘れていました。「グラン・ブルー」もいい映画でした。ネット配信でまた見てみようかと思います。
似合わないけど、「ビッグウェンズデイ」という映画が好き
なぜか私は自分に似合わないものが好きで…「ビッグウェンズデイ」という映画が好きで、DVDまでもってます。
たぶん、80年代のサーファーブームのもとになった映画かもと思っているのですが、よくわかりません。若者のときはほんとにブームだったのに、なにせ運動神経ゼロの私だから、まったく縁のない世界でした。
その私がこの映画に出会ったのは、ブームもとっくに去ったころ。テレビの12チャンネルの「お昼のロードショー」。畳の上にひっくりかえって、なんの先入観も期待もなく、てきとうに見ていただけの当時アラサーの私はすっかり感動していました。
ストーリーとしては、サーフィンをする三人の青年の、騒がしい青春期から苦いベトナム戦争時代にかけての一種の友情物語です。この男の友情ものっていうのが私にはちょっと泣き所なんだなあ。たとえば、スティーヴィン・キングの「スタンド・バイ・ミー」なんかもそんな感じで好きでしたね。
とはいえ、友情ものであればいいというわけではなくて、その友情がサーフィンというものなしでは語れない、というところがこの映画のすばらしいところです。スポーツならいい、サッカーでもバスケでもいいというわけではありません。
これはもう、サーフィンじゃなきゃいけない。やったこともなきゃ、浜辺で人がやっているのさえ見たことすらない私がそう思うのはなぜだろう、不思議です。
中年になった三人が災害レベルのビッグウェーブにのるシーンはあまりにもすばらしく、パイプラインと呼ばれる波にのりながら、くるっとまるまった波の内側に手をかざすシーンはふるえがくるくらい。ああ、どんな気持ちなんだろう、あそこにのって、波の内側にふれるのって。
私には絶対できないし、想像もつかないはずなんだけどな…
サーフィンって特別じゃないかな、と思います。なにが特別なのか、うまく説明できないけど。
息切れがひどくて、もはや近所のスーパーに行くのさえ青息吐息なオバサンが、痩せ細った体を横たえながら、画面の中の波乗りにあこがれている…変だよ、でも変だからこんな体で生きのびてこられたのかもしれない。
映画の最後のほうに、ロペスというサーフィンの世界でとても有名な人が出演しています。このロペスの潮風にさらされた笑顔にもふと胸をつかれる、おすすめの映画です。
戦中・戦後の人たちより、私のほうが痩せて見えるんだけど
つらかったです…暑いのがいけないのか、持病の悪化か、その両方なのか…それでもなんとか「普通のつらさ」にもどりつつあるような気がします。
終戦記念日をはさんでへたれていたので、戦争関係のテレビ番組をたくさん見てしまいました。NHKBSでもケーブルテレビでもいろいろやってます。初公開の情報も多いみたいですね。
私の親は80代、戦争時はまだ未成年だった世代です。とにかく戦中、戦後は食べ物がなくて苦労したという話を、私は何度も何度も聞かされて育ってきたわけですが、その時代のモノクロ映像の中の日本人たちを見て、エライことに気づいてしまいました。
どう見ても、今の私のほうが痩せている。
その世代の人たちの苦労に敬意を表さないわけではありません。ただ、どう見ても、今の私のほうが痩せているように見えます。
一度そういう目で見てしまうと、「あ、この人も私よりはBMI高そう」「あ、この人も私より肉がついてる」という目で番組を見てしまいます。せっかく質の高いまじめなドキュメンタリーなのに、私ってヤツは!
いろいろ見て、ほんとに「私並みだな」と思ったのは、ガダルカナルの人たちだけ。飢え死にしてしまった人たちです。不謹慎でほんとにすみません。
つまり、私の痩せっぷりって尋常じゃないってことですね。このゆたかな日本で病気とはいえなんたる痩せっぷり。
まずいよ、これは。これから栄養ゼリーでも食べようと思います。