非結核性抗酸菌症そらりす

非結核性抗酸菌症の患者の日常・投薬歴・入院歴です

食欲ほぼゼロの状態

3年前くらいに、食欲ほぼゼロの状態に陥りました。

 

抗生物質3種類を長年飲みつづけていたので、そのせいで食欲がないのかな、と思っているうちに、だんだん食べられなくなっていきました。

 

このころ、体重は33キログラム。今は30キロきってるから、今よりはマシ。食欲がない、食べられない、とやっているわりには、不思議なことに体重は減りません。体重はここで下げ止まってくれるのかな、それならいいけど、と思っていました。

 

そんなある日、パート先の休憩室でお昼ご飯のパンを前にしたとき、今まで経験したことのない感覚に襲われました。

 

パンを見てもなにも感じない。おいしそうとも、まずそうとも思わない。なーんにも、なーんにも感じない。そこにあるのが、パンだな、ということは頭では理解できるのですが、ただそれだけ。

 

なんだろうこの感じ。

 

私はパンを前に固まってしまいました。この異様な感覚にあたる言葉を探したけれども、見つからない。

 

しばらくして、ふと、以前みたアメリカの現代写真の一枚を思い出しました。それは日用品や食品を撮影している作品で、ピントがあいまくっているせいなのか、家庭的な温かさや生活感からかけはなれた非日常的なものが感じられる。

 

美しいけど冷たい。とても冷たい写真。

 

それと似てるな、感じが似てる。

 

やっと頭に浮かんできたのは「ブツ」という言葉でした。写真でいう「物撮り」の「ブツ」。食べ物がただブツにしか見えない状態…いちおう「パンである」という意味は落ちてないけど、感覚が落ちている。

 

食欲ないのもここまできちゃったってこと?

 

パート先の休憩室でパンを前に固まりながら、「これはなんとかしなければ」と思いました。

 

当時の呼吸器科の先生は、呼吸器以外に関心の薄い方だったので、相談してもあまりピンとこないようでした。ここから、薬の副作用情報を調べたり、漢方医にかかったり、精神科に行ったりという、私の迷走がはじまります。