気がついたら歩道に倒れていた、というころび方。中高年の入院リスク
私はこれまで一カ月間の入院を二度経験していますが、退院して二、三日後、歩道を歩いていてころんだことがあります。
そのころび方が普通ではなかった。普通はころぶ時、「あっ、あぶない」と思って、体をよじったり、手をついたりしますが、そういうのが全然ない。
気がついたら歩道に倒れていました。なにが起きたのか一瞬わからない。なんで、アスファルトがこんなにすぐ目の前にあるの?という感じ。
そういうころび方。
幸い、ちょっと足をひねったくらいですみました。頭を打ったりしなくてラッキーだった、よかったじゃない、と無理に自分を慰めながら起き上がりましたが、心の底では私は自分のころび方にかなりショックを受けていました。なぜ、こういうことになったんだろう…
考えられるのは、筋肉の衰え。それしかない。だけど、どうしてだろう。リハビリは毎日入れてもらっていたのに。
入院中、親切なお掃除のおばさんに、「私も入院したことがあるけど、退院したときは近くのスーパーに行くことも辛かった。運動したほうがいいよ」と言ってもらっていたので、病院内の階段の上り下りもしていたのに。
それでも、筋力は衰えてしまったということなのね…びっくりするほど。
自宅にいれば家事をするし、仕事に行けば動くし、通勤で歩く。買い物に行けば歩くし、荷物も運ぶ。
入院中はそれがない。必要がないから動かない。点滴している時は動きたくても動けないし。使わない機能は低下してしまう。
年齢的なものもあるんだろうな、と思いました。私がもうちょっと若ければ、ここまでの衰えはなかったかもしれません。50代で年齢的に筋肉が落ちやすくなりはじめたからだと思う。
使わない機能が低下するスピードが年々速くなっていく…これが中高年の入院リスク。これを意識しないと、私のようにギョッとするようなころび方をするようになります。
よく年寄りが毎日散歩しているのを見かけますが、その意味がわかった気がします。一日でも歩かないと、筋肉がすぐに落ちてしまうんだろうと思う。高齢者はこうやって筋力の低下と戦っているんだな…
最近の病院の傾向として、あまり入院を勧めない、入院させても短期で退院させるというのがあります。日帰り手術というのも多くなりました。たぶん、患者のためというよりは病院経営の都合が大きいような気はするけれども。
それでも、できることなら長期入院はさけたほうがいいと思います。筋力低下のリスクは想像するより大きいと思うから。