なぜかイブプロフェンにもうひとつ思い出があった。その1
イブプロフェンにはもうひとつ思い出?があります。
一度目の入院、ストレプトマイシンの注射のために入院したとき、相部屋にアラサーくらいの女の子がいて、少しばかりおしゃべりしました。
彼女は腹痛のために入院していて、いろいろな検査を行っていましたが、なかなか原因がわかりません。原因がわからないままに、イブプロフェンを処方されていたようですが、あまり効いてない様子。
くせのある多めの髪をおおざっぱにまとめ、全体にふっくら系。巨乳なんだけどなぜか色気はなし…このかまわない感じ、もしかしたら帰国子女かな?と思ったら、あたってました。
アメリカで育ち、数年前に帰国して今は日本で働いているんだそうです。職場は彼女がいつ退院できるのか気にしているのに、のんびりしすぎているのか、自分から職場に連絡するのが気がすすまないのか、「電話したほうがいいでしょうか…」と、私なんぞにおずおずと聞いてくる、おっとりしているというか…ちょっとグズグズしたタイプです。
それでも、そこそこ楽しく会話していたのに、彼女の両親が病院にくると看護師さんが知らせたとたん、表情が明らかに固くなりました。
なんだろう、ご両親とうまくいってないのかな?
一時間くらいして、ご両親が現れました。父親は長身で、かなり積極的な話し方の、いかにもアメリカで成功してきたという感じ。母親のほうもはっきり、きっぱりしたタイプです。今でいうグレイヘアのくせ毛を無造作に束ねています。
この二人の姿を見たとたん、私はアラサーの女の子がなんだかかわいそうになりました。
別になにが悪いとは言えないけれど、娘の分のテキパキを両親で吸いとっちゃてる感じだったから。似たもの夫婦二人はそれでいいのかもしれないけどな…これじゃあ娘としてはグズグズでもするしかなかったんじゃないだろうか…この二人の子供として生きるってどうなんだろ?
私はもちろん親子の会話に参加したわけではないけれど、薄手のカーテンで区切られているだけの病室では、会話は丸聞こえです。父親は、痛みの原因のわからないまま、だらだら入院が長引くことにかなりいらだった様子で、どうも主治医とその件で話をするために病室にきたようです。
まだ20代の男性の主治医が病室にはいってくると、父親は間髪入れずに話しはじめました。(つづきます)