ラジオ体操にはいい思い出がないんだけれども
非結核性抗酸菌症では、軽い運動はしたほうがいいことになっています。体を動かすことで、気管支や肺胞にへばりついている痰が落ちやすくなるし、呼吸に使う筋肉も多少鍛えられます。
で、ラジオ体操をときどきやっています。
ラジオ体操にはいい思い出がないんだけれども。
実家の裏手がそのあたりの地主で、夏休みは毎日6時にそこでラジオ体操が行われました。運動神経の悪い、朝の弱い私はとーぜん、とーぜんやりたくない。
でも、うちのすぐ裏手だから、出ないわけにいきません。両親はきびしかったし、出ないという選択肢はなかった。今になって、オトナの頭で考えてみると、借地人の子供が地主主導のイベントをスルーするって無理だったかもしれない。
まあ、いずれにせよ、音の割れたスピーカーから「腕を前にあげて、背伸びのうんど―」とかガンガン聞こえてくるから、うるさくて寝ていられない。やだな、やだなと思いながら手をふりまわしていた記憶があります。
そんなラジオ体操だけれども、私が唯一順番やポーズを覚えているのは、この体操だけ。実際、体操の内容としてはとても良くて、ときどきテレビでも紹介されています。ここ数年、見直されているらしいです。
病気でここまで行き詰ってるんだから、やるしかありません。 朝たたき起こされた恨みを胸に体操じゃあ、肺によくないから、恨みはまあ、忘れることにしよう。
ラジオ体操以外に、すごく簡単なヨガのポーズも少しだけやっています。ほんとはちゃんと習いにいったほうがいいと思いますが、それができません。
だって、すぐに咳きこんでしまうから。ラジオ体操もそうなんだけど、咳きこんだら休み、咳きこんだら休みでやってます。こんなニンゲンがヨガ教室にきたら、楽しく健康的なヨガ教室のムードが一気に真っ暗になると思う。とても行けない。
うつ伏せのポーズからはじめる。ゆっくり意識しながら、吸ったり吐いたりする。それだけなのに、けっこう苦しい。この病気になる前の私なら、なんとも思わなかったでしょう。
次に、両手を肩のわきにおいて、腕で上半身を持ち上げるポーズ。そんなに高くもちあげるわけではなく、頭上に餌を発見したトカゲのような感じです。これが苦しい。ありえないほど苦しい。
あとふたつばかりポーズをして、終了。
ヨガは腹式呼吸が基本で、呼吸はゆっくり深いものになります。それが肺にいいはずなんですけど、深く呼吸するぶん肺が刺激されて苦しいことは苦しい。
でも、やるぞ、ちょっとは。普通の人から見ると笑っちゃうような体操だけどね。