非結核性抗酸菌症そらりす

非結核性抗酸菌症の患者の日常・投薬歴・入院歴です

今週のお題「わたしの好きな歌 CCRの「雨を見たかい」

今週のお題「わたしの好きな歌」

 

CCRの「雨を見たかい」

 

この曲が好きになったのは、ちょうど10年前、リーマンショックのころ。運悪くリーマンショック直前に夫の働いていたネットベンチャーが倒産し、私が夫から回してもらっていた在宅仕事もなくなり、二人して無職になったころのこと。

 

10年くらい外で働くことのなかった私は、はじき出されるように世間に出て、パート、派遣、あやしい中国人の会社を転々とすることになりました。

 

夫はもっとひどかった。50歳が目の前のおじさんに、しかもリーマンショック後世間にまともな仕事などなく、あこぎな校正会社をへて、ブラック以下の肉体労働へ。耐えて働いてもその職場すらさらに人的コストの会社にとってかわられることで、また別の肉体労働へ。

 

どっからどう見てもインテリにしか見えない夫の首筋あたりが、クーリーみたいに筋張っていくのを、私はただ見ているしかできませんでした。(ろくに食事時間もとれずに働くと、そのダメージは首にでます)

 

そのころ、夫のCDコレクションの中のCCRをよく聴いていました。特に「雨を見たかい」をはそのときの気持ちにぴったりで、心にしみていくようでした。

 

「晴れた日にいきなり降る雨のことを、きみは知っているかい?」という、天気雨のことを歌った歌のようですが、一見なにごともない世界の中でどしゃぶりにあう気分というのに私は共感したのだと思います。

 

Have You Ever Seen The Rain?

雨を見たかい?

 

ずいぶん前に、誰かが俺に話したよ
嵐の前には静けさがあるって
知ってるさ 時々やって来るから

その後で 彼らはこう話すんだ
晴れた日にやってくるんだぜ
知ってるさ 水のようにキラキラ降り注ぐんだ

知りたいよ 君は「雨」を見た事あるのか
知りたいよ 君は「雨」を見た事あるのか
晴れた日に降ってくる

 

曲が発表されたのが、ベトナム戦争真っ最中の1970年ということもあり、この「晴れの日いきなり降る雨」がナパーム弾を表しているという理由で、アメリカで放送禁止になったという逸話が残っているようです。

 

そういう意味で作られた歌だったかもしれないし、そうじゃなかったかもしれない。

 

この歌のもつ悲しみの気分には何か強い力があって、それが政府を不安にさせたのかもしれません。その力って、この歌のもつ一種のさわやかさじゃないのかな。政府とか、戦争とかって、さわやかじゃいけないんだよ、たぶん。

 

この一種のさわやかさにこそ10年前の私は救われたんじゃないのか。私がこの曲が好きな理由はそこかもしれません。

 

 10年がたって、なんとか立ち直ったけど、私はその過程で非結核性抗酸菌症というやっかいな病気をしょいこんでしまいました。

 

どしゃぶりはまた経験するかもしれないけど、私は古いロックの好きなオバサン、さらにオバアサンとして、けっこう楽しく生きていくつもりです。